この度、第56回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会ならびに第47回放射線による制癌シンポジウムの世話人をさせていただくことになりました。放射線生物学は分割照射の理論的根拠を形成する重要な学問で、放射線治療を臨床で適切に運用し、また腫瘍の反応を評価する際に重要な指針を与えてくれる多くの知見を有しています。
加えて、昨今の分子標的治療、免疫チェックポイント阻害剤などの登場で、放射線治療との併用効果を期待した臨床試験や治験も多く実施され、その有効性に高い期待と注目がされています。放射線感受性増感のみならずAbscopal effect などの間接的な作用が改めて注目されるなど、その背景にある生物学的な機序の理解が欠かせない時代になっています。
そこで、”放射線生物学の新展開と臨床への寄与”を主テーマにして、これらの新しい知見を如何に放射線治療と適切に組み合わせて最大の効果を創出できるかを多方面の専門家を交えて議論できる場にしたいと考えています。多くの方々の参加をお待ちしています。
国立がん研究センター 先端医療開発センター 粒子線医学開発分野
当番世話人 秋元哲夫