ご挨拶greeting

 この度、第58回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会ならびに第49回放射線による制癌シンポジウムを東京大学で開催することとなりました。

 最近のがん治療におきましては、話題となっている免疫療法をはじめとして、新しい治療方法が次々と実用化されつつあります。しかし、これらはある程度の効果を発揮するかもしれませんが、社会が期待するがんの克服にはほど遠いのが現状です。

 そのような状況において、これから最も期待される治療の一つは、がんの生物学的知見に基づいた放射線治療の高精度化です。これまで物理工学的手法によって放射線治療は大いに進歩してきましたが、その次の時代を切り開くのは放射線治療の生物学研究です。

 放射線治療のさらなる革新を目指すことを目的とし、本学術大会ならびにシンポジウムにおいて、放射線治療に関係する方々が集い、活発な討議や情報を交換することは、社会が切望しているがん治療全体の発展に大きく貢献するものです。皆様のご参加をお待ちしています。

東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター放射線分子医学部門
当番世話人 宮川 清